第29回核酸についての問題
前回は核酸のついての基礎知識とこの問題でよく出てくるキーワードについて書きました。
これだけで解けたり、5択から2択くらいまでしぼることができる、かもしれないので必ず覚えてくださいね!
では、まずこれまでの知識で何問わかるか、解いてみましょう。
第29回
23 核酸に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)RNAは、主にミトコンドリアに存在する。
(2)tRNA(転移RNA)は、アミノ酸を結合する。
(3)DNAポリメラーゼは、RNAを合成する。
(4)cDNA(相補的DNA)は、RNAポリメラーゼによって合成される。
(5)ヌクレオチドは、六炭糖を含む。
(3),(4)はキーワード,(5)は基礎知識で説明しましたね。
次は、基礎知識とキーワードではわからなかったところを解説して知識を増やしていきたいと思います。
RNAは3種類あることを基礎知識で書きました。これらのうち約8割がrRNAなのです。このrRNAはリボソームRNAなので、その名の通りリボソームに存在します。よって✖。
これが正解〇です!
転移RNA(tRNA)の作用については詳しく解説しなかったので、以下に示しますね。
mRNAが読み取った情報をもとにたんぱく質を作るのですが、mRNAは情報を伝えるだけ、実際にたんぱく質のもととなるアミノ酸を運んでくるのがtRNAです。
この運び方には特徴があります。
mRNAはコドンという遺伝暗号を伝えます。このコドンに書いてある3つの塩基配列でアミノ酸が決定します(GCU,GCCならアラニンなど)。このコドンに対応する塩基配列(アンチコドンといいます)を持ち、伝えられたアミノ酸を結合し、たんぱく質合成の場へ運搬するのがtRNAです。
(3)DNAポリメラーゼは、RNAを合成する。
前回のキーワードに出てきたポリメラーゼです!DNAポリメラーゼはDNA(cDNA)を,RNAポリメラーゼはRNAを合成する酵素です。よって間違い✖です。
(4)cDNA(相補的DNA)は、RNAポリメラーゼによって合成される。
これもキーワードの知識で解けますね。RNAポリメラーゼはRNAを合成。答え✖。
ちなみにcDNAとは、一本鎖DNAまたはRNAに対応し、二本鎖構造をとるDNAのことです。相補的、つまり、塩基はかならず決まった相手(AとT,GとCなど)が対になり二本鎖を形成します。
(5)ヌクレオチドは、六炭糖を含む。
基礎知識参照。クレオチドは五炭糖+塩基+リン酸でしたね。答え✖。
いかがでしたか?
キーワードと基礎知識で2拓までしぼれたらあと少しですね!
tRNAの働きやコドンという単語も頻出事項なのでぜひ頭に入れておきましょう!
次回は第28回国家試験の核酸についての過去問解説です。
さらに知識を増やしましょう!