第30回脂質代謝の問題解説
今日は第30回77番の問題です。
30-77 脂質代謝に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)食後、血中のキロミクロン(カイロミクロン)濃度は低下する。
(2)食後、肝臓では脂肪酸合成が低下する。
(3)空腹時、血中の遊離脂肪酸濃度は上昇する。
(4)空腹時、脳はケトン体をエネルギー源として利用する。
(5)空腹時、筋肉はケトン体を産生する。
今回は正解が2つです。
この問題は、前回の脂質代謝まとめで解説している部分は省いて解説するので、答えが分からなくてまだ読んでいない人は、是非読んでから解説を見てくださいね。↓
解説
(1)食後、血中のキロミクロン(カイロミクロン)濃度は低下する。
食後はキロミクロン濃度は上昇するでしたね。
よって間違い✖。
(2)食後、肝臓では脂肪酸合成が低下する。
食後、肝臓ではもちろん脂肪酸合成は増加します。間違い✖。
(3)空腹時、血中の遊離脂肪酸濃度は上昇する。
これも、前回書きました。
空腹時、脂肪から脂肪酸が離れ(遊離脂肪酸となって)て、代謝されます。
よって、血中の遊離脂肪酸濃度は上昇します。正解〇!
(4)空腹時、脳はケトン体をエネルギー源として利用する。
脳はケトン体をエネルギーとして使用できるのでこれも正解〇。
これと比較して、肝臓ではエネルギーとして利用できないと覚えておきましょうね。
(5)空腹時、筋肉はケトン体を産生する。
空腹時にケトン体を産生するのは肝臓です。
よって、間違い✖。
ちなみに、筋肉はエネルギー源としてケトン体の利用はできます。
ケトン体産生と、ケトン体の利用は経路が違うので、場所も異なってきますね。ややこしい~
よく聞かれるのは、肝臓では産生はできるが、利用はできないということなので、これだけでも覚えておきましょう!
いかがでしたか?
ほとんどが前回ブログの解説でした。