食後の代謝まとめ、重要語句
今回は、食後の代謝(主に脂質代謝)についてよく出るところをまとめて解説します。
食後の代謝についてや、単に脂質代謝に関する問題として出題されていることが多いです。
出題は主に基礎栄養学の分野ですが、人体~の生化学分野にも関することです。
まず、よく聞かれるのが食後にキロミクロン、ケトン体、脂肪酸はどのようになっているかです。
いかに一つ一つ記していきます。
①キロミクロン(カイロミクロン)
リポたんぱく質の一つです。
リポたんぱく質?なに?という人は、簡単に言うと脂質とタンパク質の複合体のことです。水と油は混じり合わないのに、油である脂質を水である血中に流れることができるようにした形がリポたんぱく質です。(詳しくは解説すると長くなるので、今回は省きます。)
とりあえず、今はリポたんぱく質には大きく分けてカイロミクロン、VLDL、LDL、HDLなどがある、という程度にとどめておきます。
このキロミクロン、食事で体内に入ってきた脂質を運びます。
難しくいうと外因性脂質(外因性=食事で入ってきた) と言われています。
つまり、食後にキロミクロンはたくさん合成されるということです。
問題ではキロミクロンは食後に血中濃度が増加する、とあれば正解!〇になります。
ちなみに、脂質には中性脂肪やリン脂質やコレステロールなどの種類がありますが、キロミクロンはほとんどが(90%くらい)中性脂肪でできています。
②ケトン体
アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンを総称してケトン体といいますが、これらはTCA回路でアセチルCoAを処理しきれなくなると生じます。
つまり、脂肪酸がβ-酸化(代謝)されすぎると、アセチルCoAがたくさん生成され、ケトン体がたくさん生成されます。
ということは、食後は脂肪酸がβ‐酸化されないので、ケトン体も生成されにくいといえます。
反対に空腹時、絶食時にはケトン体合成UPします。
また、肝臓ではケトン体を生成できますが代謝する酵素が無いので、肝臓ではケトン体をエネルギー源として利用できないという問題もよく出ますので覚えておきましょう。
ちなみに、脳や筋肉ではエネルギー源として利用されますよー。
③脂肪酸
脂肪酸と脂質、中性脂肪などの違いは大丈夫ですか!?
脂質には中性脂肪、リン脂質、コレステロールなどの総称ですが、脂肪(中性脂肪)を構成しているのが脂肪酸です。
脂肪酸の種類にはオレイン酸やドコサヘキサエン酸(DHA)などさまざまですが説明すると長くなるので、ここも今回は省きます。(なるべく今後解説するよう努めます。。)
単に脂肪酸と書かれている時と、遊離脂肪酸と書かれているときもあります。
遊離脂肪酸はグリセロールにくっついていない状態で血中などに漂っている脂肪酸のことです。(中性脂肪=グリセロール+脂肪酸)
つまり、食後は中性脂肪合成がupするので、脂肪酸は脂肪組織に取り込まれます。そして中性脂肪として合成されていきます。
反対に空腹時は、脂肪酸は中性脂肪から離れ、遊離脂肪酸となって代謝されています。空腹時は脂肪が分解されるということですね。どんどんβ‐酸化されるとケトン体ができ②の説明へ、、となります。
以上がよく出る3つの語句説明でした。
次からの問題がぐっと楽になるはずなので、この3つを理解したら、問題に進みましょう!