基礎栄養学第26回81の問題解説
今日は基礎栄養学第26回81の問題の解説をします。
早速解いてみましょう!
糖質の体内代謝に関する記述である。正しいのはどれか、1つ選べ。
(1) グリコーゲンの貯蔵総量は、筋肉より肝臓に多い。
(2) 筋肉は、糖新生を行う。
(3) 肝臓のグルコース利用は、血糖値の影響を受けない。
(4) 赤血球では、グルコースから乳酸が生成する。
(5) 脂肪組織には、ペントースリン酸回路は存在しない。
特にひねった問題は出てないかと思いますが、ちょいちょい迷う設問もあるかと思います。
解説で確認してみてくださいね。
解説
(1) グリコーゲンの貯蔵総量は、筋肉より肝臓に多い。
間違えてはいけないのが、貯蔵総量です。
比率(%)や1gあたりの貯蔵量なら肝臓のほうが多くなりますが、肝臓は身体にたったひとつなのに対し、筋肉は身体のいたるところに存在していますね。
よって、貯蔵総量となると筋肉の方が多くなります。
この問題は間違い✖。
(2) 筋肉は、糖新生を行う。
糖新生とは、グルコースをつくること。
グルコースをつくるためには、グルコース6リン酸からグルコースへ変換する酵素が必要です。この酵素の名前覚えましたね!?グルコース6ホスファターゼです。
筋肉ではグルコース6ホスファターゼがないため糖新生を行えません。
よって間違い✖。
頻出事項なので確認を。
(3) 肝臓のグルコース利用は、血糖値の影響を受けない。
肝臓のグルコース利用とはすなわち、グリコーゲンの合成・分解を指しているものと思われます。
血糖値=血液中のグルコースの量。
血糖値が低下すると、肝臓のグリコーゲンが分解してグルコースとなり利用されます。
また、血糖値が上昇すると、グルコースはグリコーゲンとなって肝臓に貯蔵されます。
よって✖。
肝臓のグルコース利用は血糖値の影響を受ける。
(4) 赤血球では、グルコースから乳酸が生成する。
これは正解〇!
大事なのは、赤血球にはミトコンドリアがないということ。
ミトコンドリアがないとクエン酸回路は存在できません。
よって、グルコースからピルビン酸→クエン酸回路とはなれず、グルコースから乳酸が生成します。
(5) 脂肪組織には、ペントースリン酸回路は存在しない。
ペントースリン酸回路は肝臓、脂肪組織、副腎皮質など脂質合成が盛んな組織に存在しています。
よって✖。
ペントースリン酸回路で大事なのは
・脂肪酸やステロイドの合成に必要なNADPHの供給
・核酸の材料になるリボース5-リン酸の供給
です。
答え(4)
今回も基本的な事項がたくさん出てきました。
何度か解いて、知識・記憶をしっかりとつけてくださいね☆