糖質と脂質代謝のわかりやすい説明と国家試験によく出るワード
いよいよ明日は第30回管理栄養士国家試験ですね。
受験生の皆さん、最後の追い込み頑張ってくださいね!
さて、今日からは人体の分野に必須の項目、糖質と脂質の代謝についての勉強を進めようと思います。
この分野は毎年必ず出題されています。
糖質と脂質の代謝に関しての問題の年もあれば、糖質だけ脂質だけの年もあります。基礎栄養学分野でも必須の項目になるので、じっくり説明していこうと思います。
この分野は覚えること、理解したほうがいいこと、などなどいっぱいでどこから説明しようかも迷います。。。
とりあえずいつものように、よく出題されるキーワードから
脂肪酸の合成
β-酸化
ペントースリン酸回路
これらは本当によく出てきます。
しかし、これらを部分的に紹介しても頭に入りにくいと思うので、簡単な糖質・脂質代謝の流れとともに語句説明をします。
糖質の代謝について
糖質は何といってもエネルギー源ですよね。
体を動かすだけではなく、生きていくために臓器を動かしたり、勉強をしたり、何をするにもエネルギーが必要です。
このエネルギー源は車ではガソリン、人間の体ではATPになります。
では、糖質からどうやってATPができるか?(これが代謝)というと、
糖質⇒解糖系⇒TCA回路⇒電子伝達系⇒ATPという反応が起こります。
ひとつひとつをさらに詳しく見ていかなければなりませんが、一度に覚えると何のことかわからなくなるので、とりあえず今はここだけ。
この流れは忘れずに必ず覚えておいてくださいね。
そして、糖質はATP産生だけではなく、他にも体にとって大切な物質を生成しています。
その大切な物質の生成経路がペントースリン酸回路です。
大切な物質とはNADPH+H+とリボース5-リン酸です。
NADPH+H+って何?ですよね。
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の略で、電子と水素の運び屋さんなのですが、詳しいことよりもここで必要なのはNADPHは脂肪酸やステロイドの合成に必要な物質だと覚えておいてください!
そしてリボース5-リン酸はDNAなどの材料になる大切な物質です。
核酸の話、覚えてますか?
核酸の構成単位であるヌクレオチド(塩基+五炭糖+リン酸)の五炭糖は糖質代謝のペントースリン酸回路に由来するものだったのです。
ちなみに、ペントースリン酸回路ではATP(エネルギ―)はできませんよ~
脂質の代謝について
脂質ときいて、ごちゃまぜになっている人はいませんか?
脂質と脂肪酸は違いますよ~
よく問題で出るのは脂肪酸の合成や分解です。
脂質というのは中性脂肪、コレステロール、リン脂質など水に溶けず有機溶媒に溶ける有機化合物全般を指します。
脂質の中でもコレステロールと中性脂肪では全く合成・分解経路が異なります。
一般に脂肪といえば中性脂肪を指します。
お腹に肉がついたな~💦というのはお腹に中性脂肪がついたな~ということです。
問題でよく問われるのが、この中性脂肪を構成している脂肪酸です!
ちなみに中性脂肪はグリセリンと3つの脂肪酸からなります。
ここまではよいでしょうか?
国家試験でよく聞かれる脂肪酸の合成とβ‐酸化はどちらも脂肪酸のことですよ!
中性脂肪を構成している脂肪酸のことです。
脂肪酸にはオレイン酸やドコサヘキサエン酸(DHA)などたくさんの種類があります。
前置きが長くなりましたが…
問題でよく聞かれるのは場所なので、まずは反応の場所は必ず覚えておいてください!
脂肪酸の合成は細胞質
β-酸化はミトコンドリア
で行われます。
脂肪酸の合成は簡潔に書くと
アセチルCoA⇒マロニルCoA⇒⇒⇒脂肪酸です。
この反応でNADPHが必要になってきますが、これは先ほど書いたペントースリン酸回路などから供給されます。
β-酸化とは脂肪酸の分解経路のこと
脂肪酸⇒アシルCoA⇒アセチルCoAと分解されていきます。
アセチルCoAは糖質の代謝でもキーになるものです。
解糖系からTCA回路に行くときにもアセチルCoAになります。
…と今解糖系の話を合わせてもややこしくなるだけかもしれないので、この辺までで。
とりあえず、脂肪酸の合成・分解の場所と流れ、覚えておいてくださいね!
今回の国家試験までに糖質と脂質の話を書きたかったのですが、更新が追い付かなかったです。残念です。。。
これからの皆さんに向けて、ゆっくり更新していきますので、これからもよろしくお願いします!